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おおぬま

「鬼門〜春来る鬼の来し方は〜」公演が終了しました。
観劇に足を運んでいただいた皆様、
本当にありがとうございました。

あっと言う間の3日間、それに辿り着くための全工程でした。
15ページ40分という短い公演。
アンケートの中には、その短さについて触れる方もいらっしゃいました。
「短いからこそ、この話は感動するのだ」
という打上での演出の言葉。
本当にその通りだと思いました。
流れていく走馬燈の様な時間、
人生を一瞬で辿る旅の果てにたどりつく、世界の終わり。
そこにやって来る「春」。
この人生が終わるとき、私達は自分の道を振り返って、
やはり「あっと言う間だったなぁ」と思うのでしょうか…
時間という感覚は、ほんとうに不思議です。

千春さんのことがあって以来、大事な何かの瞬間に、
私達は「絶対、死なないっこね!」と抱きしめ合うことが増えました。
互いの存在を感じ合いながら、必死でしがみつく。
離したくない、離れたくない、失いたくない、もう誰も…
叶わないこととは知りながら、よしこが永遠に続けばいい、そう祈ります。
私にとってよしこはこの世界にたった一つしかない存在です。

失ってから気づくのではなく…
自分にとって、とても愛しい存在を感じる。
ひとつの人生、物語を通して。
映画でもなく、テレビでもなく、本でもなく、
今、目の前にある空気の中に、
生々しい命を伝えられるものは、芝居しかない。
人の生死をよしこはよく題材にしますが、
どんな設定、かたちであれ、
その中にはいつも軽く言葉にはできない何かとの繋がりや、
想いや、愛がそこにあります。

世の中にはいろんな人がいて、いろんな芝居があって、いろんな繋がりがあって、
でも絶対にこれじゃなきゃだめなんだよってものがある。
よしこを観てくれ、観続けてくれる人にとって、
よしこはずっとそんな存在でありたいと思います。
そんなことを考えたこの公演でした。

あらためて、ご来場いただきましてありがとうございました。

みんなお疲れ様。

そして、千春さん。
お疲れ様でした。
by yoshiko-gekidan | 2008-02-12 02:36